auカブコム証券から、6月から投資家の手数料や諸経費面が改善されるとのプレリリースが、4月25日に発表され、4月30日に具体的な詳細が公表されました。
公表された内容は下記の4点です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 新NISAにおける単元未満株の取引手数料を無料へ
新NISA口座でのプチ株(単元未満株)の取引手数料が、52円or約定代金の0.55%から0円になります。
NISA口座をカブコムで開設し、単元未満株で積み立てをする人が恩恵を受けることになりますが、そのような方は少ない気がします。。
というのも、NISAの取扱銘柄数ではSBIや楽天に劣りますし、単元未満株の取引手数料という面でみても、SBIや楽天は新NISA開始の時点では既にNISA関係なく一律で無料のため、
単元未満株で定期/不定期的に積み立てていきたい人はカブコムでNISA口座を開いていないはずなんですよね。
ですので、今抱えている顧客に対してのアピールというよりは、まだNISA口座を開いていない人へのアピール、という印象を受けました。
まあそれなら今の時期ではなく、新NISA開始の1月に合わせた方がよかったのかな~と思いますが。
私は長期条件/優遇目的の単元未満株はSBIで保有していますが、特定口座の単元未満株手数料を無料にしてくれればクロスの担保金にも当てられるので、カブコムでも使っていきたいんですけどね。
2.大口優遇プランの拡充
信用取引での建玉残高・新規建・約定代金に応じて手数料や諸経費が優遇されるプランが拡充になります。
具体的には新規プラン、サファイアの追加と、全大口プランにおいて現物取引手数料が無料になります。
引用:auカブコム証券公式HP
現物手数料無料については、23年のSBI・楽天の一律現物手数料無料化を受けたものに対する対抗策だと思われます。
現状の手数料は1注文の約定代金ごとに計算するプランの場合は約定代金400万以上で4059円(0.10%)、1日ごとの約定代金ごとに計算するプランの場合は0.22%かかります。(買だけの手数料で売まで行うとそれぞれ倍になります)
この手数料の割合が気になるか気にならないかは人によるかとは思いますが、証券会社的には大した収入源にはならない一方で、大口を他所に逃がしてしまう可能性があるくらいならいっそのこと無料にしてしまおう、とのことなのかなと思います。
引用:auカブコム証券公式HP
引用:auカブコム証券公式HP
追加されたプランについては、大口の最下位プランの追加(=優遇対象のハードルを下げるもの)や最上位プランの追加(=大口の中の大口に対して更に優遇)というわけではなく中位プランの細分化という意味でのサファイアプランの追加ですね。
確かに表を見てみると、プラチナとダイアモンドでは認定条件に大きな差があります。ダイアモンドに近いゴールドプランの顧客からの要望があったのかもしれませんね。
私は今はまだまだこれらの恩恵は受けられないため全く興味はありませんが、いずれ大口になりますので、この恩恵を感謝することがあるかもしれません。
3.kabuステーションの無料化と各種プラン利用条件の緩和
トレード用Windowsアプリのkabuステーションが月990円から無料になりました。
また、オプション付きのkabuステーションのプランの利用条件・提供機能が拡充されました。
特別目を引くような変更はありませんが、儲けよりもとにかく利用者を増やしたいという意思を感じます。
ちなみに私は先月カブコムで取引をするのを失念してしまったため、今月はAPIを使えておりません。。
そういうことがなくなるといった意味では、この変更で恩恵を受けられるということになりそうですが。
4.デイトレード信用取引の金利/貸株料無料化
デイトレード信用(当日返済必須の信用)取引の金利・貸株料が約定代金に関わらず一律で無料になります。
これまでは、1注文の約定代金が20278~99万9999円の場合は約定金額x0.0049%が金利・貸株料としてかかってきましたが*1、これが0円になります。
シストレメインで取引を行う(予定)の自分的にはこの改訂は非常に嬉しいです。
いや、0.0049%くらいとは思うかもしれませんがシステムトレードでスキャルピングを行うとかなりの額になります。 例えば、50万で100往復行うと2450円になります。 仮にこれが1単元100株の銘柄で10円抜きを行って(損切りラインも下に10円)、6勝4敗だった場合、利益20000円。 利益のうちの10%以上が金利/貸株料で持っていかれることになります。
まぁ、1注文あたりの約定代金を100万以上か20277円以下に抑えればこれまでも無料だったわけですが、20277円以下で買える銘柄はかなり限られていることや、注文は100万円以上でも一部しか約定せずに金利・貸株料が発生してしまうことから、
使える戦略が限られてしまっていました。
自分で作成したシステムで日本株の高速トレードを行える証券会社は現在はこのauカブコム証券しかないため、他の証券会社でのトレードは難しいです*2。
それが、今回の変更で完全無料となったため6月からガンガンシステム開発とぶん回しを行っていこうと思います。
システムトレード・スキャルピングの具体的な内容については、また別の記事にしたいと思っています。
最後に
auカブコム証券の手数料/経費改訂についてケチをつけて(まとめて)きましたが、APIや一般信用の在庫数の多さなど、他の証券会社にはない強みもあり、これまで個人的にはかなりお世話になっているので、今回の改訂を機に利用者/利益増につながり、今のサービスを続けてくれることを願ってます。